#1499 東武鉄道 小泉線 西小泉(にしこいずみ)駅 小泉町| |
【所在地】群馬県邑楽郡大泉町 |
【開業】1941(昭和16)年 |
【乗車人員(日)】1,398人 |
1001-1500駅レビュー 第1位
<選定理由> 「太平洋戦争開戦直前に開業、 かつての一大軍需工場の玄関駅も いまはブラジリアンタウンの代表駅。 そのギャップに深く興味そそられる終着駅」 |
群馬県大泉町に所在する
東武鉄道小泉線の駅。終着駅である。 登録#1499。「ラス前」のこのローカル駅が 最後の最後にあらわれて土合を 1位の座から引きずりおろした。 |
駅の遠景。
終着駅の雰囲気満点。 開業は1941年12月1日。 太平洋戦争開戦1週間前。 |
現在は三洋電機の工場になっているが、
かつてその場所は「中島飛行機」という 軍用機製造会社の工場で、 最盛期には7万人近くがそこで働いていた。 当駅は同工場の工員および貨物の 輸送のため設置された。 |
開業時からの駅舎が今も現役。
開業当初は仙石河岸線という 貨物線の駅だった。 駅舎内、ホームはのち紹介する。 |
駅前のようす。
バスが乗り入れ、タクシー会社の 事務所がある。 駅名は「小泉」だが、町名は「大泉」。 これは1957年に小泉町と大川村が 合併した経緯による。 |
線路はもうないが、
仙石河岸線跡の空地が残る。 本来は利根川の砂利を運搬する目的で 川岸まで線路が引かれていた。 |
かつての仙石河岸線である緑道が続く。
戦時中には利根川を渡り熊谷へ 延伸予定だったが、終戦で中止。 熊谷側は妻沼まで開通し、 東武熊谷線となったが、1983年廃止。 |
さて大泉町は町内の人口4万の
15%近くが外国人で、 とくに日系ブラジル人の方々が多く暮らす。 「日本のブラジル」と言われ、 町も積極的にPR活動を行っている。 町は専属のサンバチームまで持っている。 |
だから精算所の上にもポルトガル語。
中華街とかも中国人の方が たくさんいるのだろうが、 観光地であって、自然じゃない。 ここは日常ありのままがブラジル。 |
これは「防犯カメラ監視中」とでも
書かれているんだろうか。 |
駅の案内コーナーの一角にあるチラシ。
祖国を遠く離れても、仲間と一緒ってのは 心強いだろうなあ。 これは記念にもらっておけばよかった。 |
駅前を抜けて県道142号に出る。
三洋電機の工場はこの先左折。 左の建物は交番。でかいな(笑) |
ポルトガル語のみの看板の立つ、
平屋の商業ビル。 何屋さんなのかわからないが、運送会社? 町のいたるところがこの調子。 |
もはや何が売っているのかわからない。
でも貝割大根は日本語で10円と(笑) 外国人住民のほとんどが町内の工場に勤務。 前出の三洋電機や、富士重工など。 |
駅に戻ろう。
改札口にはICカード読取機。 一日の乗降人員は平均1,398人。 |
ひとたび駅構内に踏み入れば、
そこは戦前戦中の雰囲気を 色濃く残すたたずまい。 さすがは中島の工場の玄関駅。 |
上屋も古レールなんかじゃない。
頑丈で丁寧で、さらに荘厳な造り。 |
ホームは頭端式1面2線。
西側に古いホームが残る。 |
構内を渡る踏切板?も朽ちつつ残る。
|
こちらが1番線、
電車が留置されているのが2番線。 |
上屋の両サイドが跳ね上がって
屋根部分が延長されている。 当時からのものであれば、 やはり別格の配慮がなされていたと 推察するがどうか。 |
撮影日:2015/10/11
|