2017/10/13

シヌゼン各駅紹介(353) 1501-2000駅レビュー 第6位

#1981 土樽(つちたる)

・東日本旅客鉄道 上越線
 土合|越後中里
【区分】丁 【撮影日】2017/9/10
【所在地】新潟県南魚沼郡湯沢町
【開業】1933(昭和8)年
【乗車人員(日)】-人
【その他】(1931)信号場と開業(1941)駅に昇格、
   秘境駅ランキング第161位(2017)

1501-2000駅レビュー 第6位

<選定理由>
「川端康成『雪国』の冒頭の信号所はここ。
国境の長いトンネルを抜けても
いまや周囲に人家皆無の無人駅。」

新潟県の駅は初めての紹介。
JR上越線の駅で、
新潟県南魚沼郡湯沢町に所在。

山小屋風の駅舎。
群馬・新潟の県境の新潟側の駅で、
群馬側の土合も第3回のレビューで2位。
隣り合った駅が選出されるのは初。

先月に訪れたが、もう秋の風情だった。
早朝5時前ではまだ暗い。
写真は少し粗めになってしまったが
ご容赦願いたい。

朽ちかけた名所案内。
スキー場は戦前に開場、駅に至近、
というかホームを抜けないと
利用できないほど隣接していたが、
2004年限りで閉鎖された。

茂倉岳、平標山、万太郎山への
登山客の起点となる駅らしい。
この登山カード入れは機能してるのかな。
公衆電話はもうない。

川端康成の小説「雪国」の冒頭で、
国境の長いトンネルを抜け

汽車の止まった信号所は
当駅のことである。
1931年、清水トンネル開通とともに開場、
1941年に駅に昇格。

駅前のようす。
周囲に人の住む気配はない。
道路だかなんだか
わからないような道を進むと
どんづまりに駅がある。

有名なサイト「秘境駅へ行こう」では
第161位にランクされる。
この関越道の高架さえなければ、
ここまで自分の訪れた駅の中では
トップクラスの秘境駅なのだが。

構内は広く、保線車両が留置してある。
その他、鉄道関連の建築物がいくつかあるが
日常的に機能している感じはしない。

駅を少し下ると県道541号に出るが、
この道も先へ進んでもどこにも行けない。
ぽつんとバス停が立つ。
まさに秘境なのだが、残念ながら
関越道を往来する大型トラックの
タイヤの発する「ウォーン」が
静寂を遮る。残念すぎる。

駅前へ戻る。
上写真の541号線には
大きく迂回して下っていくのだが、
地図を見ると歩道なら
駅前から抜け道があるのがわかる。
関越道をくぐったこの先だ。

無理(笑)
緑の中へ消えている。

駅舎内へ入る。
寒冷地の駅では当たり前にある、
入口扉から中に入ると
また引き戸がある二重構造。
下写真の扉を開けると駅舎内に入る。

駅舎内。広いスペースに自販機があり、
その他トイレ、水道もある。
だけど無人駅。

だから登山の人が泊まっちゃう(笑)。
管理駅の越後湯沢から
モニタリングされてないのかな。
タバコの火には注意してほしい。

ホームは2面2線の相対式。
中間に融雪用の水路を持つ。

水上方ホーム端。もともとは副本線があり
本線を待避できる構造だったが、
もうその必要もなく
本線上にホームがある。
旧ホームが手前で、撮影者の立つあたりは
副本線のレールがあった。

旧ホームの前に新ホーム。
上りホームの駅舎付近から水上方向。

第8位の長谷同様、
もうこんな長いホームはいらない。
途中でブッた切れたホームとレールが残る。
上りホームから新潟方向。

下りホームへは跨線橋で連絡。
新潟方向を俯瞰する。
左の下りホームの左が旧、右が新ホーム。

下りホーム水上方から跨線橋、駅舎方向。
「雪国」冒頭には駅長ほか
鉄道員の姿が描かれているが、
今は無人駅、どころか周囲に民家は皆無。

跨線橋のたもとから水上方向。
関越道が斜めに横切る。
赤黒の竿は調べたわけではないが
おそらく雪の積もり具合を
測定するものだろう。
違ってたらごめん。
県内道路のいたるところで見られる。

下りホームから駅舎、跨線橋の方向。
レール間に渡した板のようなものは
何だろうか。
この日は新潟県の駅を19訪ねたが、
ところどころ「?」の設備があった。
耐寒耐雪のためのものなのだろうが、
都会の人間にはわからぬ。

上りホームの先端から新潟方向。
この先に新松川トンネル。
上り線はループを描いて高さを稼ぎ、
当駅に進入、清水トンネルに突入してゆく。

跨線橋から水上方向。関越道さえなければ
清水、新清水両トンネルの抗口が
目視できるのだろうか。
冬の「夜の底が白くなった」時間に
再訪してみたいところだが、
列車は日に6往復。
小説の舞台は今ではまるで抜け殻のよう。





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