2017/10/30

路線全駅紹介(15) 富士急行 大月線/河口湖線


富士急行 大月線/河口湖線
(ふじきゅうこう おおつきせん/かわぐちこせん)

大月 2013-4
【DATA】
【開業】1929(昭和4)年6月19日(大月線)
1950(昭和25)年8月24日(河口湖線)
【路線距離】23.6km(大月線)
  3.0km(河口湖線)
【軌間】1,067mm 全線単線
【電化方式】直流1,500V 架空電車線方式
【起点/終点】大月/富士山(大月線)
富士山/河口湖(河口湖線)
【駅数】18(大月線16、河口湖線2)


【当路線のざっくり年表】
1929(昭和4)  年 富士電気軌道が大月-富士吉田間を富士山麓電気鉄道に譲渡、開業。
1934(昭和9)  年 東京-富士吉田間に臨時列車「高嶺」号直通運転開始。
1950(昭和25)年 富士吉田-河口湖間開業。
1960(昭和35)年 富士急行に社名変更。
1961(昭和36)年 ハイランド駅開業。
1962(昭和37)年 新宿-河口湖間に急行「かわぐち」運転開始。
1986(昭和61)年 急行「かわぐち」廃止。
1998(平成10)年 座席定員制特急列車「ふじやま」運転開始。
2002(平成14)年 特急「ふじやま」を「フジサン特急」に変更。
2004(平成16)年 都留文科大学前駅開業。
2009(平成21)年 「富士登山電車」運行開始。
2011(平成23)年 富士吉田駅を富士山駅に改称。
2014(平成26)年 成田エクスプレスが河口湖まで乗り入れ開始。
2015(平成27)年 suica導入。
2016(平成28)年 「フジサン特急」運行終了、8500系電車による「富士山ビュー特急」運行開始。



■大月線(大月~富士山)

---------------山梨県大月市---------------

#0338 大月
(おおつき)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1903(明治36)年
(富士馬車鉄道)
【乗車人員(日)】4,185人(富士急行・降車含む)
【他路線】東日本旅客鉄道 中央本線
【その他】JR駅は関東の駅百選の選定駅
0.6km
#0339 上大月
(かみおおつき)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1929(昭和4)年
【乗車人員(日)】95人(降車含む)
【駅名変遷】大月橋(1934?)
2.4km
---------------山梨県都留市---------------
#0340 田野倉
(たのくら)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1929(昭和4)年
【乗車人員(日)】628人(降車含む)
2.6km
#0341 禾生
(かせい)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1929(昭和4)年
【乗車人員(日)】727人(降車含む)
1.5km
#0342 赤坂
(あかさか)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1929(昭和4)年
【乗車人員(日)】964人(降車含む)
1.5km
#0343 都留市
(つるし)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1929(昭和4)年
【乗車人員(日)】522人(降車含む)
【駅名変遷】谷村横町(1965)
0.8km
#0344 谷村町
(やむらまち)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1929(昭和4)年
【乗車人員(日)】499人(降車含む)
1.2km
#0345 都留文科大学前
(つるぶんかだいがくまえ)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】2004(平成16)年
【乗車人員(日)】1,515人(降車含む)
0.9km
#0346 十日市場
(とおかいちば)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1929(昭和4)年
【乗車人員(日)】123人(降車含む)
1.6km
#0347 東桂
(ひがしかつら)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1929(昭和4)年
【乗車人員(日)】506人(降車含む)
2.7km
----------山梨県南都留郡西桂町----------
#0349 三つ峠
(みつとうげ)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1903(明治36)年
【乗車人員(日)】519人(降車含む)
【駅名変遷】小沼(1943)
3.0km
---------------山梨県富士吉田市---------------
#0348 寿
(ことぶき)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1929(昭和4)年
【乗車人員(日)】369人(降車含む)
【駅名変遷】暮地(1981)
1.4km
#0350 葭池温泉前
(よしいけおんせんまえ)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1930(昭和5)年
【乗車人員(日)】120人(降車含む)
【駅名変遷】尾垂鉱泉前(1939?)
0.9km
#0351 下吉田
(しもよしだ)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1929(昭和4)年
【乗車人員(日)】277人(降車含む)
0.8km
#0352 月江寺
(げっこうじ)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1931(昭和6)年
【乗車人員(日)】571人(降車含む)
1.7km
#0353 富士山
(ふじさん)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1929(昭和4)年
【乗車人員(日)】1,534人(降車含む)
【駅名変遷】富士吉田(2011)
【他路線】富士急行河口湖線

■河口湖線(富士山~河口湖)
1.4km
----------山梨県南都留郡富士河口湖町----------
#0355 富士急ハイランド
(ふじきゅうはいらんど)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1961(昭和36)年
【乗車人員(日)】1,089人(降車含む)
【駅名変遷】ハイランド(1981)
1.6km
#0354 河口湖
(かわぐちこ)
【区分】甲 【撮影日】2013/4/27
【開業】1950(昭和25)年
【乗車人員(日)】2,431人(降車含む)
【その他】関東の駅百選





次回(vol.16)は
東日本旅客鉄道 根岸線にご案内。

2017/10/26

シヌゼン各駅紹介(358) 1501-2000駅レビュー 第1位

#1901 江津本町(ごうつほんまち)

・西日本旅客鉄道 三江線
 江津|千金
【区分】戊II 【撮影日】2017/4/8
【所在地】島根県江津市
【開業】1958(昭和33)年
【乗車人員(日)】0人
【その他】秘境駅ランキング122位(2017) 
2018.4.1廃止予定

1501-2000駅レビュー 第1位

<選定理由>
「舟運で栄えたかつての港町の、
外れに置かれた無人駅。
廃止の『惜別補正』がかからなくとも
そのたたずまいは最強と認める」

島根県江津市にある、
西日本旅客鉄道・三江線の駅。
天領・江津本町は海運で栄え、
北前船が寄港し、
天領米や石州瓦の積み出しで
おおいに賑わったという。

現在の江津の中心街は
北に1kmほど離れた江津駅、市役所周辺。
しかしもともとは港のあったこのあたりが
まさに「本町」であった。
だが鉄道駅は街から南に少し下った場所で
周囲に民家は皆無。

単式1線のホームに
レンガとブロックで造られた
簡素で古びた待合所があるきり。
統計では利用客ゼロ。

「本町」へは西へ300mくらい。
かつて廻船問屋の蔵屋敷が
居並んだ町並みは
「天領江津本町甍街道」として
見どころ満載の観光地になっている。
これ東日本の人はたぶん知らない。

この駅も江の川の河畔に置かれている。
河口まで1kmほど。
山奥でも豊富な水量に圧倒されたが
河口ともなればこの川幅。

水面がすぐそこまで迫る。
訪れる前からの期待を裏切らない。
絶景駅というよりは、
ピースひとつひとつが絶妙の調和で
醸しだすたたずまいが最強の駅。

三次からずっと寄り添って進んできた
江の川もここ江津でお別れ。
その最後の駅としてふさわしい取材となった。

三江線各駅に掲出してある、
神楽の演目を紹介する案内板。
当駅は「恵比寿」。
舟運で栄えた江津本町らしいチョイス。

ホーム上の最大の構造物は待合室。

さっぱりしている。
あまりメンテナンスもされていないような。
それがまたいいのさ。

繰り返すが三江線は
全線が2018年3月いっぱいで廃止となる。
当駅は市街地に近く、
なくなっても困る人は少なそうだが、
寂しいことには変わりない。

ホーム江津駅方にはトンネルが迫る。
たくさん写真は撮ったが、
小さい駅なのでバリエーションも少なく、
せっかく1位なのに掲載枚数が少ない。
申し訳なし。

ホーム端から三次方向。
当路線の運行はまもなく終了となるが、
シヌゼンの旅はまだまだ序盤戦。
これから向かう場所に伸びる
レールの先には
当駅のようなステキな駅たちが
我々が訪れるのを待っているだろう。
それはあなたの家の最寄駅かもしれない。
なんちゃって。





2017/10/25

シヌゼン各駅紹介(357) 1501-2000駅レビュー 第2位

#1884 潮(うしお)

・西日本旅客鉄道 三江線
 沢谷|石見松原
【区分】戊II 【撮影日】2017/4/8
【所在地】島根県邑智郡美郷町
【開業】1975(昭和50)年
【乗車人員(日)】1人
【その他】2018.4.1廃止予定

1501-2000駅レビュー 第2位

<選定理由>
「満開の桜と、緑の水たゆたう
江の川のコントラストが見事な絶景駅。
来年春には消えてゆくこの美しい駅を
いつまでも忘れない」

島根県邑智郡美郷町に所在。
JR西日本・三江線の駅。

築堤上に単式1線のホーム、
そしてブロック積みの待合室。
駅の構造物自体は味気ないが、
それを補って余りある満開の桜。

全線にわたって桜の木が
春の装いを強力にアシスト。
当駅がその最たるものだろう。

ホームへは国道375号線から
スロープを登る。
駅入口付近から三次方向。

逆に江津方向。
潮温泉では日帰り入浴もできる。

車の見える看板を左に入ると
「バカンスハウス」
コテージがあり、宿泊できる。
しかし統計では、一日の駅利用客は
たったの1人。

階段を登るとホームへ出る。
右は待合室。
レビュー2位に輝く当駅のオシは
ホームにあがってからわかる。

悠々と流れる江の川を見下ろす。
登録2,000駅の中では
トップクラスの絶景。

そしてその絶景に
満開の桜が「華」を添える。
非電化なので架線もない。
しばし息を飲み立ち尽くす。

1975年、三江線最後の未通区間、
浜原~口羽間開通時に設置。
この区間は鉄建公団が後先考えず建設を進め、
巨大鉄橋や地上数十mの高架駅を作り
堂々開通させたが、当駅はいたってシンプル。
これも都合がよかったかもしれない。

待合室の中には座布団。
駅の歴史はまだ50年にも満たない。

同線の他駅同様、
神楽の演目を紹介する案内板がある。
当駅は「潮払い」。
舞台の清め、神々の降臨を願う。

すでに紹介済みだが、
三江線は全線が
2018年3月限りで廃止となる。
当然、当駅も営業を終了する。

廃止決定以降、鉄道マニアに限らず、
三江線を訪れるカメラマンは多い。
ひとりひとりの記録と記憶が
いつまでも残り続けることを願う。

やがて消え行く。
余命宣告を受けた美少女に出会った気分。
何ともやりきれない想いが胸に去来する。

決まったことは仕方がない。
無理を押して
ここまでやってきたのも知っている。
来年の春、お別れの日には
この時のように桜は満開だろうか。






2017/10/24

シヌゼン各駅紹介(356) 1501-2000駅レビュー 第3位

#1915 池上(いけがみ)

・東京急行電鉄 池上線
 千鳥町|蓮沼
【区分】甲 【撮影日】2017/6/11
【所在地】東京都大田区
【開業】1922(大正11)年
【乗車人員(日)】16,942人

1501-2000駅レビュー 第3位

<選定理由>
「日蓮上人入滅の地に建立された
本門寺の最寄駅。
全面改修を間近に控えた、
最後の姿をこの目に焼き付ける。」

東京都大田区に所在する、東急池上線の駅。
まさかの東急の3,4位(笑) 
通算で3駅目の受賞。

日蓮入滅(死去)の場所に建立された
日蓮宗本門寺の最寄駅。

駅前の都道421号との交差点を入り、
アーチのある「本門寺通り」を進んで
約500mで山門にいたる。

Ikegami Honmon-ji precincts.jpg
またまたwikiから拝借。
本門寺境内のようす。
10月11~13日のお会式は
たくさんの老若男女でごった返す。
その最寄駅が当駅。
By ペン太 - 投稿者自身による作品, CC 表示 2.5, Link


駅全景。
1922年、前身の池上電気鉄道が
蒲田と当駅間に開業、
本門寺への参拝客の足となる。

駅前のバス発着場は
駅の規模にしては広い。
東急ほか京急、都営バスが乗り入れる。

駅舎はそのバス発着場に隣接して
北側にあり、改札もここ1ヶ所。

かなり古い駅舎だが、
開業時のものなのだろうか。
おそらく昭和に入ってからだろう。

そんな古い造りの当駅だが、
今年6月から
全面改修工事が行われている。
2020年完成予定。

新駅舎は
地上5階建てで商業施設も入り、
外観は本門寺のお膝元にふさわしく
和風、というか神殿風?

改札口。
一日の乗車人員は約1万6千人。
池上線単独駅では最多。
五反田、蒲田を含めても3位。

改札内コンコース。
コンクリ造りの駅舎とは別に
梁が木造の上屋がかかる。

構内の売店も雰囲気にあわせ
木目調。
ぎっしり商品が並んでいる。

ホームは2面2線の相対式。
構内踏切で連絡する。
東急の駅ではここだけ。

駅改修後はもちろん踏切は廃止。
駅の南側にも出入口ができる。
ラッシュ時やお会式の混雑時には
手動で駅員が操作するとのこと。

こちら五反田方面上り。
電車は3両編成なので
ホームもそれなりに短い。
というか、ホームが短いから
電車も短い、というのが正解。

上写真の逆構図。
ホーム柵は全線に設置されている。
細い木造の柱が渋い。

2番線を五反田方から駅舎方向。
当路線は住宅密集地にあり、
駅の拡張が困難なため、
ホームも短いまま。電車は3両編成。

なくなってしまうのが
あまりに惜しい木造の上屋の梁。
今年6月の取材。
工事中ならまずレビュー選定は
不可能だった。

かわって1番線は下り蒲田方面。
スロープは左の壁の裏側にある。
奥の自販機はお会式期間は撤去され
臨時改札となるらしい。

1番線を五反田方から駅舎方向。
短編成をカバーするため
電車は日中でも6分ヘッド、
ラッシュ時は最大14本/時で対応。

最後の姿。
乗降客も多く、今までいろいろと
不便もあっただろう。
駅は生まれ変わるが、
しかしこの風景を忘れない。

五反田方面を撮影。
次駅千鳥町までは
やや勾配がついている。

構内踏切から蒲田方向。
ほぼ直角に進路を変え次駅は蓮沼。
蓮沼を出るとまた90度進路を変え、
終着駅蒲田にいたる。

駅周辺の風景は様変わりしたが、
駅は100年近く前からそのまま。
都会の中にある駅ゆえ、ことさらに
そのコントラストは鮮明に濃淡を刻む。